訪問看護では、看護師が主に患者を相手としますが、医師にしか対応できない病状が生じることもあります。その際、訪問看護師が医師と連絡を取り合い、対応方法を相談し、治療を行います。

例えば、看護師と医師がコミュニケーションを取り、以下のような対応をします。

 

・医療機器、カテーテル等の管理医療用カテーテルを使用する場合、ドレナージ量、薬剤の性状注入、水分のバランス測定などを管理する必要があります。医師と看護師が連携して定期的に状態を観察し、状況に応じて対応します。

・褥瘡などの傷の治療

褥瘡は寝たきりだけでなく、栄養管理などによっても引き起こされます。褥瘡の予防と治療には多面的な対応が必要です。

・服薬管理・指導

病状の改善には投薬管理が不可欠です。適切な指導を行うことで、適時・的確に薬を服用します。

・医療機器、カテーテル等の管理

医療用カテーテルには、腎瘻、膀胱瘻造設術、膀胱留置カテーテル、胃瘻造設術、鼻管栄養チューブ、腹膜透析、皮下埋め込み型ポートなどがあります。これらを使用する際には、排水量、物性剤の注入、水分のバランス測定を管理します。さらに、被験者の体に影響を与える症状や自覚症状がないかを観察します。訪問時に観察するだけでは変化への対応はできないため、変化や異常に早期に対応できるよう、家族や個人に対して日常的に説明や指導を行っています。このように万全の体制を整えることで、安心・安全に自宅で療養することができます。

もちろん、看護師が管理するだけでなく、主治医も定期的に訪問して管理します。看護師だけでご来院される場合は、異常や変化があった場合は主治医に報告し、指示を受けて治療を行います。

・褥瘡などの創傷の治療

褥瘡の治療は、特別な指示により毎日、週に数回、または通所のオフィスで行うことができます。処置の性質も程度によって異なるため、看護師は主治医に正確な情報を提供する必要があります。写真の送付や日々の状況の発信で変化に対応しています。また、悪化させないために福祉用具による減圧が必要なため、家族本人の協力も必要である。そのため、毎回主治医が経過や治療内容を家族に説明します。

 

褥瘡は栄養不良など様々な原因で引き起こされる可能性があるため、褥瘡予防には予防・対策も必要です。

訪問看護師だけでなく、多くの職種での連携や情報共有も最善の治療につながります。

 

・服薬の管理や指導

在宅介護をする場合、認知症などで指示通りに薬を飲めない方も多くいらっしゃいます。そんな人のために、訪問看護師が日付を書いて、本人が理解できる設定の仕方があります。

ただし、設定しても日付がわからず飲めない方もいらっしゃいます。その際、病院への出入りを呼びかけたり、訪問看護師や家族など毎日誰かに服用してもらうなど、患者さんのプライドを傷つけないよう、患者さんが薬を服用できるよう計画を立てます。しかし、患者自身が投薬に不安を抱いているため、投薬の重複を防ぐために管理する必要があります。例えば、本人の知らない場所で薬を管理し、その時が来るたびに家族に薬を飲ませてもらうことが可能です。また、1日1回処方箋に薬を変えてもらうなど、医師に状況を報告することで、服薬を継続できる方法をとる場合があります。

 

・かかりつけ医の指示による治療・診察

訪問看護の主治医は1人だけです。そのため、他科を受診していて、必要な治療が主治医ではない場合は、医師同士で意思疎通・協力してもらい、情報を共有した上で、主治医から必要な指示が出されます。そうすることで、受診回数が減り、訪問看護師が指示通りに施術を行うことができるようになります。このような対応を行なう事で主治医が患者の全体像を確認することができます。

 

患者さんが安心して診療を継続し、他科の医師にも安心して受診していくためには、医師同士の協力が必要です。