「背中が痛い」と訴えて来院される方は多くおられますが、背中は広範囲です。場所によって痛みの原因、治療法は違います。そこで今回は、“背中の痛み”について痛みの場所からみた特徴や治療法などのについてお伝えします。
肩甲間部が痛い!
場所…肩より少し下、両側の肩甲骨の間の背中
症状…強く痛み、気持ちが悪い、呼吸するのも苦しい感じがする
特徴
・マッサージや入浴で痛みがゆるむのであれば問題なし
・痛みやつらさがゆるまずに何週間も続くとかなりつらい
治療
トリガーポイントブロック治療が有効。何回かのトリガーポイントブロックで痛みが軽減しない場合は、交感神経の過緊張が考えられますので、星状神経節ブロックを併用することもあります。
背部が痛い!
場所…背部痛でも肩甲骨より下
症状…多くは腰痛とともに背筋が弱いために起こる筋筋膜性腰痛と同様の症状。背骨の両側にある体を立てる起立筋が強く張っています。
治療…トリガーポイントブロック治療
筋筋膜性腰痛(いわゆる腰痛)…腰回りの筋肉がいつも緊張している状態です。運動療法がおすすめですが、逆に運動しすぎで痛くなることもあります。理学療法やトリガーポイントブロックが効きますが、長期的には腹筋背筋を鍛えることが大切でしょう。
トリガーポイントブロック治療とは?
トリガーとは発痛点の意味で、その筋肉部位を押すと強い痛みを感じる場所です。トリガーポイント(押すと痛いツボ)をみつけて、そこに麻酔薬を注射します。 2~5ヶ所が対象で、皮膚から浅い部分(0.5~1cm)に連続して注射します。合併症がほとんどなく、全身(首、肩、背中、腰、四肢)の筋膜や腱膜の痛みに有効。保険が適応されます。