足の付け根が痛い、お尻が痛い、骨盤が痛いなど、股関節辺りの痛みでお悩みの方は多いと思います。今回は“股関節の痛み”について、原因や病気、治療のタイミングなどをお伝えします。
痛むところは?どんなふうに痛む?
次のような痛みを感じる場合は、股関節や腰に原因がある可能性が高いです。まずがご自分の痛みを知りましょう。進行度によって手術の必要が出てくる場合もあるので、まずは症状を自覚することが重要です。
あなたはどこが痛みますか?
□足の付け根
□太もも
□骨盤
□お尻
□ひざ
その痛みの特徴は?
□左だけ(右だけ)痛い
□左右どちらも痛い
□歩くと痛い
□階段の昇り降りが痛い
□運動すると痛い
□産後で股関節が痛い
股関節の痛みの原因について
股関節は胴体と脚を繋ぎ、体全体を支える関節。胴体(骨盤)側の丸いくぼみに、脚(大腿骨)側の球体の骨がはまり込む作りをしていて、骨の間にある軟骨がスムーズに動く手助けをしています。しかし、加齢や肥満、過度な運動などが原因で、負担がかかると、衝撃を吸収するクッションである軟骨が減り、硬い骨同士がゴリゴリと擦れてしまい、関節炎(痛み)が起こります。
股関節の4つの病気
股関節の病気には、大きくわけると次の4つがあります。
①変形性股関節症
変形性股関節症とは、文字通り関節が変形して壊れてくる状態のこと。ひどくなると球形の関節面が消失し、スムーズな動きを阻害します。「股関節が痛い」と言って来院される方のほとんどが、この変形性股関節症です。
②リウマチ性股関節症
関節リウマチやその類似疾患によって、関節が破壊されます。最終的には、変形性股関節症と同様の状態になるため、治療法も変形性股関節症と同様です。
③骨頭壊死(指定難病)
大腿骨頭と呼ばれる大腿骨側の骨の中が壊死(血液が通わない)状態になります。様々な原因がありますが、直すことはほぼ不可能であり、最終的には骨頭がつぶれて消失することが多いです。
④大腿骨頚部骨折
転倒などがきっかけで、大腿骨頚部を骨折することを指します。多くは高齢者に生じますが、強い外傷が加わると若い方にも発症。大腿骨頭への血行が阻害されるため、骨頭壊死と同じ経過をたどることが多いです。
治療タイミングの目安
相談に来られた患者様に治療のタイミングのお話しする際には、「股関節の痛みから解放されたい」と思った時とお伝えします。目安として、下記のポイントが当てはまるなら、十分治療を検討するタイミングです。
□夜に痛みで目が覚める
□かがんで靴下が履けなくなった
□短時間の家事でも痛い
□買い物帰り、重いものが持てない
□歩く時に足を引きずる
□足の長さが左右で違う