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【院長ブログ】狭心症

2025.01.18

循環器の病気に“狭心症”というものがあります。今回は、その“狭心症”について、狭心症の種類と治療についてお伝えします。

 

狭心症とは?

 

心臓がたゆみなく動き続けるために、心筋へ酸素と栄養素を送るための専用栄養血管が冠動脈です。この冠動脈が細くなることで心筋への血流が阻害されて酸素不足を起こし、胸の痛みなどを生じるのが狭心症です。狭心症には4種類あります。それぞれについて、次に詳しくお伝えします。

狭心症の種類①労作性狭心症

階段を上がったり、重いものを持ったり、運動をしたり、心理的なストレスを受けたりしたときに、胸に痛みや圧迫感を覚えます。体内にたくさんの血液を送り出そうと心筋が活発に働き始めるためですが、その際血管が細っていて血液供給が追いつかず、胸の痛みなどの症状が出るのです。毎回、ほぼ同じ程度の運動やストレスで生じます。

対処

症状が起こった時には、安静を保つことが重要。ニトログリセリンの舌下錠を口に含むと短時間で楽になります。

狭心症の種類②冠攣縮性狭心症

夜、寝ているとき(特に明け方)や、昼間、安静にしているときに、胸が苦しくなる発作を起こします。多くの場合、冠動脈が一時的に痙攣を起こして収縮し(攣縮)、血流を途絶えさせることによって起こります。重大な動脈硬化がないのに起こることがあります。

対処

労作性狭心症と同様にニトログリセリンの舌下錠で一定の効果を得られます。また、予防にはカルシウム拮抗薬も効果があるとされます。

狭心症の種類③不安定狭心症

労作時に起こっていた狭心症発作が、より軽い労作でも出やすくなった場合や、新しく症状が出現した場合に、不安定狭心症と表現します。狭心症の中でも特に心筋梗塞に移行するリスクの高い狭心症です。急性心筋梗塞と不安定狭心症をまとめて急性冠症候群と呼び、急性心筋梗塞に準じた対処が必要。なお、ニトログリセリンでは効果が見込めないこともあります。

狭心症の種類④微小血管狭心症

更年期前後の女性に多いとされる狭心症です。冠動脈の狭窄は無く、誘発試験を行っても冠攣縮が見られない場合、微小血管狭心症の可能性があります。労作とは無関係に胸痛が起こることが多く、通常の狭心症と比べると持続時間が長いのが特徴です。

対処

通常の狭心症と異なりニトログリセリンが効きにくいことが多く、カルシウム拮抗薬が有効なことが多いとされます。

 

狭心症の治療とは?

 

狭心症の治療には大きく分けて3つあります。それぞれについてお伝えします。

①薬物療法

血管の緊張をゆるめて心臓の負担を減らし、血液を固まりにくくする治療を行います。

②カテーテル・インターベンション(PCI)

細い管状のカテーテルを冠動脈入口まで挿入して、カテーテルを介して冠動脈の中を通した針金をガイドに、狭窄している部分までバルーン(風船)を運び、ふくらませて狭窄を内側から押し広げる治療法です。局所麻酔で行い、12時間程度で終了します。

③バイパス手術(CABG

狭窄している血管の先(末梢)に、別の血管(バイパス=移植する血管)をつなぎ、狭窄部を迂回する血液の流れを作る手術です。全身麻酔で行われ、2週間前後の入院を要します。

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