生活習慣病の一つである高血圧症の診断を受ける方は多いです。高血圧症は、放っておくと重大な疾患につながる怖い病気。高血圧の治療法には、生活習慣の見直しと薬物療法の2つがあります。どれも糖尿病や心臓病、脳梗塞など全ての生活習慣病の予防や改善に重要なことです。そこで今回は、“高血圧症の治療”についてお伝えします。
高血圧症の治療法
①生活習慣の見直し
生活習慣ですが、次のような6つがあります。それぞれのポイントをお伝えしますので、元気で長生きのためにはこれらを実行されることをおすすめします。
塩分制限
塩分制限は日に7g程度を目標にします。食物に入っている塩分が3g程度なので、塩、しょうゆなど調味料として使えるのは日に4g程度です。塩分制限はカロリー制限に繋がりますので肥満の解消にも重要です。
体重制限
体重と身長より計算するBMI(Body Mass Index)という指標もよく使われます。
BMI=体重(Kg)÷身長(m)×2乗
BMIは22が理想的です。BMIが25以上になると生活習慣病になる確率が2倍を超えます。だいたい4kgの減量で効果が出る、すなわち血圧の薬が一つ減らせると言われています。
アルコール
1回の飲酒は短時間血圧を下げるようですが、多量飲酒は血圧を上げ、返って血管病を増やしてしまうようです。適切なアルコール量は日本酒で1合、ビールで500cc以下と言われています。
運動
一般的に運動する人よりしない人の方が血圧は高いです。また、運動療法には血圧を下げる効果があることはよくわかっています。運動の種類としては歩行、ランニング、水泳が良いとされています。また、運動は軽めの方がよく、継続が大事であり、できれば毎日続けることが重要です。
喫煙
タバコについては血圧との直接的な関連はありません。しかし、何よりタバコは動脈硬化の最も強力な危険因子であることは間違いありません。いくら血圧に気をつけてもタバコを吸っていては意味がないといえます。
ストレス
精神的ストレスは血圧との関連ははっきりとは証明されていませんが、動脈硬化との関連は言われています。特に高血圧患者様において冬の温度の変化は危険。トイレや浴室の寒さは注意が必要です。
②薬物療法
高血圧に対する薬物療法は下記のように様々な薬物があります。これらはそれぞれに特徴、欠点があり、個々の患者様に応じてこれらの薬物を単独で、あるいは、組み合わせて使用します。
利 尿 剤 …… 尿量を増加して血液量を減らす。
血管拡張薬 …… 血管を拡張する。
神経遮断薬 …… 心臓への余分な刺激を抑える。血管の緊張をとる。