膝の痛みには様々な原因が考えられ、個人差もあります。予防・解消対策のポイントをきちんと理解・実践して、膝の痛みに備えることが大切です。そこで今回は“膝の痛み”についてお伝えします。
膝の痛みを感じる人が多いのは、なぜ?
膝の痛みを感じる原因は次のようになります。
・「歳をとって膝が痛い」という場合のほとんどが変形性膝関節症です。特に、女性に起こることが多く、大半が内反型、すなわちO脚状の変形を伴い、症状が進むにつれて内側の関節面の軟骨がすり減っていきます。
・膝関節は、太ももの骨とすねの骨とを結ぶ関節であり、体重がもろにかかるため、人体で最も大きな関節となっています。活動に伴い、膝関節には体重の3~4倍もの荷重がかかります。
・関節が膝を伸ばすときには、大腿前面の大腿四頭筋という大きな筋肉の助けを借ります。この大腿四頭筋の筋力が低下してくると、歩きづらくなったり、膝に痛みが生じたり、膝の病気に関係することが多くなってきます。
膝の痛みに効果的な運動
効果的な運動法について、痛みがない場合とある場合に分けてお伝えします。
痛みがない場合
簡単にできるウォーキングがおすすめ。次のポイントを参考に1日15分~20分くらいウォーキングすることを日課にしてみましょう。
ウォーキングのポイント
・あごを引き、背筋を伸ばす
・(可能なら)少し汗ばむくらいの速さで歩く
・かかとから着地するように歩く
・服装は運動しやすい軽装で、靴は歩きやすい物を選ぶ
・足の裏全体で地面を蹴り、膝は伸ばす
痛みがある場合
・水中ウォーキング…水の中では体重が軽くなり、運動時に足や膝にかかる衝撃や負担が軽減されます。
・寝ながらでも、椅子に座ったままでもできる筋肉を強化する運動…体重を支えている大腿四頭筋を鍛えて強くすると、膝の動きを制御できるようなります。
変形性膝関節症の予防と対策のポイント
予防のポイント
・太りすぎないようにすること
・急に長く歩き過ぎないようにすること
・生活環境の見直し(トイレを洋式に、また布団をベッドに変える)
対策のポイント
膝周りの筋肉をほぐすと痛みが楽になるケースが多くみられます。膝を動かす筋肉のお手入れについては3つのポイントがあります。
①太ももの筋力アップ…膝への負担を少なくするために、体重を支えている大腿四頭筋をトレーニングで鍛えて強くします。
②歩行習慣…ウォーキングなどを習慣にして、痛みの出ない範囲で膝を使いながら筋力をつけます。
③ストレッチング…膝がまっすぐ伸びないと、立っているときに膝が不安定となり、膝の関節軟骨にかかる負担が大きくなってしまいます。