前回物忘れの原因や症状についてお伝えしました。「物忘れはよくなるの?」「認知症はどんな治療をするの?」などご心配のことも多いのではないでしょうか。今回は、“物忘れの治療法”についてお伝えします。
物忘れの治療について
物忘れの主な治療は、投薬(薬物療法)とリハビリテーションです。物忘れの原因が脳疾患の場合はその原疾患の治療が優先されます。
薬物治療について
認知症に対して、四種類五品目の薬が使われています。現在薬でできる治療として挙げられるのが、次のようなものです。しかしいずれの薬も、神経細胞が死滅することを止めたり、失われた神経細胞を再生したりする効果はありません。アルツハイマー病の進行を遅らせる効果はありますが、「治る」というレベルではないのです。ですからリハビリテーションが重要となってきます。
・アリセプト® (塩酸ドネペジル)…記憶障害の緩和
・レミニール® (ガランタミン)…記憶障害や⾒当識障害を抑制
・イクセロンとリバスタッチパッチ®(リバスチグミン)…記憶障害の緩和
・メマリー®(メマンチン)…中核症状の緩和
中核症状とは
記憶障害、見当識障害、理解・判断力の低下、実行機能障害、言語障害(失語)、失行・失認などの認知機能の障害のことを言います。
リハビリテーションについて
物忘れ外来や通所リハビリテーション施設では、適度な刺激を繰り返し与えるリハビリテーションを、楽しめる形で取り入れています。その目的は、脳の働きを高めることです。2つのことを同時に行ったり、左右で違う動きをしたりなど。脳を活性化させるための運動が工夫されています。次に実際に現場で行われているリハビリテーションをお伝えします。
読み書き
読み書きは、手の動きや手本を注視するなどの動きをするため効果があります。
朗読
古典については、職員よりはるかに得意という人も多いと思います。そのため、職員が現代語訳を教えてもらうという形にするのも良さそうです。そうすれば「自分にはまだ教える能力がある」と感じられ、脳の活性化につながるではないでしょうか。
料理
皮をむく、同じ大きさに切るなど、調整しながら手を動かすこと。あるいは段取りを考える 、盛り付けを考える、さらに仲間と助け合いながら作るという作業は、脳を活性化させます。
アロマセラピー(ホリスティック医療)
アロマセラピーは、中国医学やインド医学など、各国の伝統医学や心理療法、自然療法、栄養療法、手技療法を、西洋医学と組み合わせることで効果が期待できる治療法でホリスティック医療の一つです。「香り」は嗅細胞に刺激を与え、大脳嗅皮質に送られます。そして学習や記憶を担う海馬、あるいは大脳皮質を活性化させる効果があります。
